りんくうメディカルクリニック[がん治療、生活習慣病治療・予防医療 、がんスクリーニング検査]

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がん治療に新しい可能性を、
光免疫療法・超音波免疫療法

がん光免疫療法/超音波免疫療法

がん光免疫療法・超音波免疫療法は、レーザー光や超音波をがん細胞にあててがん細胞を破壊し、その後全身に転移したがん細胞を免疫細胞によって駆除させる、二つの作用をもつ治療法です。照射部から離れた全身の転移巣に対しても効果を発揮する可能性があり、標準治療の適応のない末期がんにも適応の可能性があります。レーザー光が体の深部には到達することができない難点を克服するため、レーザー光より組織深達度の高い超音波を併用し、体表面のみならずより深部の腫瘍にも適応しております。

がん光免疫療法の歴史

がん光免疫療法は、光線力学的療法(Photo Dynamic Therapy:PDT)との一種です。光線力学療法は、光感受性物質を投与した後、腫瘍組織にレーザ光を照射することにより光化学反応を引き起こし、腫瘍組織を変性壊死させる選択的治療法です。

光線力学的療法(Photo Dynamic Therapy:PDT)とは、光感受性物質を投与した後、腫瘍組織にレーザ光を照射することにより光化学反応を引き起こし、細胞毒性効果を生み出す活性酸素種(ROS)を生成し、腫瘍組織を変性壊死させる治療法です。
90年代より、一部のがんについて保険承認がされておりますが、適応が表在性のがんに限られております。これまでに承認されたPDTは、以下の通りです。

・第一世代
ルフィマーナトリウム(商品名:フォトフリン®:ファイザー株式会社)を光感受性物質とし、レーザーディバイス(商品名:エキシマ・ダイレーザー、AG-OPOレーザー)との組み合わせによるPDTは、早期肺がん、早期食道がん、胃がん、早期子宮頚がんに対して、1994年に保険承認されました。

・第二世代
ラポルフィンナトリウム(商品名レザフィリン®:Meiji Seikaファルマ株式会社)を光感受性物質とし、レーザーディバイス(商品名:PDレーザ)との組み合わせによるPDTは、早期肺癌、原発性悪性脳腫瘍、化学放射線療法又は放射線療法後の局所遺残再発食道癌に対して、2003年に保険承認されました。

・第三世代
セツキシマブサロタロカンナトリウム(商品名:アキャルックス®:楽天メディカルジャパン株式会社)は、レーザーディバイス(商品名:BioBlade®レーザシステム)との組み合わせによるPDTは、切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌に対して、2020年に条件付早期承認されています。米国国立がん研究所の小林久隆氏らが研究をベースに開発され、新しいがん治療法として注目を集め、PDTによるがん治療を改めて世間に認知させるきっかけとなりました。

当院で行いますがん超音波疫療法は、音響力学的療法(Sono Dynamic Therapy:SDT)との一種です。音響力学的療法は、感受性物質を投与した後、腫瘍組織に超音波を照射する点で光線力学的療法とよく似ており、光と超音波の両方に感受性を示す物質も多いことから、これを併用して用いることもできます。

音響力学的療法(Sono Dynamic Therapy:SDT)とは、超音波に対する感受性物質を投与した後、腫瘍組織に超音波を照射することにより光化学反応を引き起こし、細胞毒性効果を生み出す活性酸素種(ROS)を生成することで腫瘍組織を変性壊死させる治療法です。

SDTは侵襲性の低い治療法として世界中でその作用機序や感受性物質の同定および照射機器や方法に対する研究が進められています。日本でも1980年代より研究が進められています。

光線力学的療法(Photo Dynamic Therapy:PDT)に対するSDTの大きな利点は、光と比較して超音波は、はるかに深い組織まで到達できる点にあります。

先に承認を得たPDTですが、光線の組織深達度が限られていることや、多くの光感受性物質が超音波に対しても同様の反応により腫瘍を殺傷する効果がみられることを示唆するデータが報告されたことから、PDTの組織深達度の問題の克服に向けSDTの研究が進んできた経緯があります。表在性のがんに対してはPDT、深部のがんに対してはSDTと使い分ける、もしくは併用して行う研究も盛んにおこなわれています。

超音波が光と同じように活性酸素種(ROS)を生成し腫瘍を殺傷するかについてのメカニズムは明らかになっていません。これまでの研究では、音響キャビテーションとそれに関連する現象が関与している可能性があることが示されています。

・第三世代
セツキシマブサロタロカンナトリウム(商品名:アキャルックス®:楽天メディカルジャパン株式会社)は、レーザーディバイス(商品名:BioBlade®レーザシステム)との組み合わせによるPDTは、切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌に対して、2020年に条件付早期承認されています。米国国立がん研究所の小林久隆氏らが研究をベースに開発され、新しいがん治療法として注目を集め、PDTによるがん治療を改めて世間に認知させるきっかけとなりました。

当院のがん光免疫療法/
超音波免疫療法

がん光免疫療法は、光感受性物質の投与とレーザー照射による、侵襲の少ないがん治療法として注目され、一部は国内承認をされ一部がんに対して標準的な治療法となったりしております。しかし、保険適応にて治療できる範囲は非常に限定的であり、治療を行っている医療機関もまだ少ないのが現状です。

当院では可能な限り多くのがん患者にがん光免疫療法という新しい治療の可能性を提供できるよう、自費診療にて多くのがんにおいてがん光免疫療法を提供しております。しかし、がん光免疫療法におけるレーザーの到達できる深度には限界があり、様々な条件により適応が不可能な場合も少なくありません。

このため、当院の光免疫療法では以下の取り組みを行っています。

より深部まで到達可能な超音波を併用

当院では、適応が可能な限りレーザー光によるがん光免疫療法(PDT)と、超音波によるがん超音波免疫療法(SDT)を併用しています。光は皮膚から深い組織に深達することが困難ですが、超音波では6㎝程度の組織深達が可能と言われています。(※光の組織深達範囲は、波長によって様々です。照射部から病巣までの条件によっても変わることから、個別に画像診断などにより適応を確認しています。)

超音波併用での効果も

レーザーの届く範囲においては光と超音波の双方の効果を、レーザーが仮に届かない場合は超音波によりがん細胞における反応を誘発しがん細胞を攻撃します。※1

血中レーザー照射で転移抑制効果も

さらに当院では、レーザー光を血中に対して照射することで血中を流れるCTC(血中循環がん細胞)やCSC(血中循環がん幹細胞)を同時に攻撃し、転移の抑制を図る治療を行っております。※2


※1 当院では超音波併用可能な場合は光と併用して治療を行っており、光照射に併せ超音波照射を行っても追加の費用が発生することはありません。併用を希望されないケースやがんの状態により超音波の適応ができない場合はこの限りではありません。また、その場合でも費用は同一となります。

※2 当院ではレーザーの静脈照射治療は、光免疫療法+超音波免疫療法と併用して治療を行っておりも追加の費用が発生することはありません。併用を希望されないケースやがんの状態により超音波の適応ができない場合はこの限りではありません。また、その場合でも費用は同一となります。

※3 皮膚は紫外線などから体を守るための光に対するバリア機能を持っています。当院では、皮膚によりレーザー光の到達が阻害されることを防ぐため、照射の際には穿刺を行う場合もございます。表面麻酔などの処置を行いますのでほぼ痛みはございません。

がんの状態や種類により
複数のレーザーの波長と照射方法を
組み合わせ使用

※当院のがん光免疫療法では、MLDS(マルチレーザーディバイスシステム)という機器を用いております。これは、静脈内・間質内・関節内・光線力学療法(PDT)のための世界で初めて承認されたシステムです。EU(CEマーキング)やFDAの承認医療機器です。また、当院では独自に高出力な近赤外線(IR)を安全に照射可能な レーザー機器も併せて使用し、幅広い症例に対応できるよう治療を行っております。

当院で用いる代表的な感受性物質

光感受性物質を患者様により使い分けられるよう複数用意しております。

当院では、がん光免疫療法・がん超音波免疫療法の効果をより高めるために、症例に応じて複数の感受性物質を用意しております。

がん光免疫療法・がん超音波免疫療法では、照射前に点滴や外部からの塗布等によりがんに集積するように特別に加工された感受性物質を投与し、一定の時間経過後腫瘍組織に集積した感受性物質に対して、レーザー光や超音波を照射しがん細胞を破壊します。

ICG(インドシアニングリーン)

残存肝機能の検査等に用いられる承認検査薬です。広く臨床にて用いられている検査薬です。一方、代表的な感受性物質としても知られており、手術の際の切除範囲を確認するためのマーカーとしても用いられます。肝機能や腎機能の悪い方でも使用が可能です。当院では、ICGをがんに集積するように加工されたリポソームを用いてICGをがん細胞にのみ集積させることができます。

ALA アミノレブリン酸

ALAは広く自然界に分布し発酵食品や緑黄色野菜に多く含まれる天然のアミノ酸です。人体ではミトコンドリアの働きに必要な物質であり、ヘムと呼ばれる赤血球のヘモグロビンの原料として利用される化合物です。ヘム合成過程にて生じるPPⅨ(プロトポルフィリン)が感受性物質として知られています。正常細胞でPPⅨはヘムへ直ぐに合成されますが、がん細胞はPPⅨをヘムに合成する酵素が弱いことから、がん細胞の中にPPⅨ状態で溜まりやすい特徴があります。

クルクミン

天然成分のポリフェノールの一種です。うこんやターメリックとして広く食品にも用いられる成分で天然の着色料としても知られます。クルクミンそのものは、抗酸化作用、抗炎症作用、がん細胞アポトーシス誘導、腫瘍浸潤、血新生抑制作用があることが分かっており多くの科学的エビデンスも発表されています。当院では、クルクミンそのものが持つ抗腫瘍作用に加え、クルクミンの感受性物質としての特徴を利用し、がん光免疫療法・がん超音波免疫療法にも感受性物質として使用しております。

タラポルフィンナトリウム

タラポルフィンナトリウムは以前より肺がんや食道がん、脳腫瘍などに対し、手術中などに行われてきた光線力学療法(PDT)において用いられてきた承認薬です。しかしタラポルフィンナトリウムのみの使用の場合は、投与後2週間は直射日光を避けて入院するなど制約が多い薬剤でしたが、当院ではこれをリポソーム化することで少量でも同様の効果をもたらし、数日のみ直射日光を避ける程度で外来治療が可能です。

超音波治療における感受性物質

光は表皮からの距離が深い場合には届きにくい特徴がありますが、超音波は皮膚から6センチの距離まで進達できます。それに着目して開発された「超音波感受性物質」を用いて、これをがん細胞に集中させることにより、がん細胞を死滅に追いやるがん超音波免疫療法を行います。超音波にはICGやALAも反応することが報告されていますが、より超音波への反応性の高い感受性物質を併用することで、本来がん光免疫療法が不得意とする深い場所にある肝臓や肺、腎臓、副腎、リンパ節、前立腺、膀胱、子宮、卵巣、膵臓などのがんに対しても超音波と併用することで、治療可能になるケースが増えます。

※その他、症例に応じて複数の感受性物質を使い分けて使用しております。
※複数の感受性物質を併用して使用する場合やレザフィリン等特別な感受性物質を使用する場合は、別途薬剤費を頂戴する場合がございます。治療に用いる基本的な薬剤代金は治療費に含まれています。

光免疫療法・超音波免疫療法の
免疫的な効果

光や超音波によりがん細胞を破壊した際に、がん細胞から細胞外に放出されるがん細胞の目印(抗原)を免疫細胞が認識し、遠隔病巣にも攻撃を行います(アブスコパル効果)。

がん光免疫療法・がん超音波免疫療法は、がん細胞だけを選択的に破壊する特徴をもち、かつ破壊したがん細胞の近くの免疫細胞の働きを抑制することがないことから、免疫細胞の元気な状態で抗原を免疫細胞に提示することができます。

このことから、照射部から離れた全身の転移巣に対しても効果を発揮する可能性があり、標準治療の適応のない末期がんにも適応の可能性があります。

適応

大腸がん、膵臓がん、食道がん、胃がん、肝がん、腎がん、胆道がん、膀胱がん、前立腺がん、甲状腺がん、メラノーマ、肺がん、乳がん、子宮体がん、子宮頸がん、卵巣がん、口腔がん、咽頭がんなど。

リスク・副作用

光免疫療法および超音波免疫療法は、従来のがん治療に比べて侵襲性の少ない治療法です。治療は通院にて行われ副作用も少ない治療法ではありますが、稀に以下のような副作用が生じる場合があります。
 
・点滴や血中照射、穿刺照射時に生じる皮下血腫、神経損傷など
・点滴物質への免疫反応として、悪心・嘔気・発熱・血管痛など
・アレルギー反応やアナフィラキシーショックなど
・感受性物質ごとの個別の副作用(別途、医師よりご説明いたします)
当治療は、患者様の自由意思に基づいて行われる、保険適応外の自費による治療です。治療費は、全額が自己負担となります。(別紙参照)

治療費について

カウンセリング料 11,000円
初診料 22,000円
光がん免疫療法 1回 330,000円
1クール(6回) 1,815,000円

※1 費用は光および超音波の照射を行った回数となります。治療は、光感受性物質の投与と照射にて行われるため、上記1クールの場合、投与6回および照射6回の料金となります。感受性物質の性質により投与と照射を1日で行う場合もありますが、これも1回の治療費となります。
※2 6回コースご契約の場合も都度払い可能です。お気軽にご相談ください。


クリニック紹介

りんくうメディカルクリニックは、世界と結ばれる関西国際空港対岸のりんくうタウンで、
がんの早期発見・予防・再発防止・治療に取り組んでいます。

ごあいさつ

私たちは、先進の検査・予防・治療で
がんと向き合う 特化型クリニックです。

当クリニックは、先進的ながん検査・がん予防治療・再発防止治療・がん治療がワンストップで行えます。Quality of Life(生活の質)を落とすことなく、安心して治療を受けていただけるように、患者さまに寄り添いながら、新たながん治療の可能性を広げることに努めてまいります。 りんくうメディカルクリニック
院長 小村泰雄

診察時間

アクセス

〒598-0047
大阪府泉佐野市りんくう往来南3-41 メディカルりんくうポート2階

電車でお越しの場合南海電鉄 南海空港線・JR西日本 阪和線
「りんくうタウン駅」2番出口 徒歩番10分
車でお越しの場合阪神高速湾岸線「泉佐野南出口」、関西空港自動車道「泉佐野出口」から約5分(駐車場完備)
未承認医薬品等で
あることの明示、
入手経路等の明示
当院で本治療において使用する感受性物質およびレーザー・超音波ディバイスは、医療機器等法上の承認を得ていないものです(「承認医薬品」の「承認外治療」を含む)。日本では、未承認医薬品等を医師の責任において使用することができます。これらは院内調剤として、適法に調剤しています。
国内の承認医薬品等の
有無の明示
本治療に使用できる同一の性能を有する他の国内承認医薬品はありません。
光線力学的療法(Photodynamic Therapy:PDT)として国内にて承認済の医薬品等として以下のものがあります。
(参考)
・ルフィマーナトリウム:早期肺がん、早期食道がん、胃がん、早期子宮頚がんに対して、1994年に保険承認されています。
・ラポルフィンナトリウム:早期肺癌、原発性悪性脳腫瘍、化学放射線療法又は放射線療法後の局所遺残再発食道癌に対して、2003年に保険承認されています。
・セツキシマブサロタロカンナトリウム:切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌に対して、2020年に条件付早期承認されています。
諸外国における
安全性等に係る
情報の明示
Photodynamic therapy in cancer treatment - an update review
Ancély Ferreira dos Santos, Daria Raquel Queiroz de Almeida, Leticia Ferreira Terra, Maurício S. Baptista, Leticia Labriola/dos Santos et al. J Cancer Metastasis Treat 2019;5:25

Photodynamic therapy for cancer: role of natural products
Behzad Mansoori, Ali Mohammad, Mohammad Amin Doustvandi, Fatemeh Mohammadnejad, Farzin Kamari, Morten F. Gjerstorff, Behzad Baradaran, and Michael R. Hamblin  Photodiagnosis Photodyn Ther. 2019 June ; 26: 395–404. doi:10.1016/j.pdpdt.2019.04.033.

Photodynamic therapy of cancer : an update
Patrizia Agostinis, Kristian Berg, Keith A. Cengel, Thomas H. Foster, Albert W. Girotti,Sandra O. Gollnick, Stephen M. Hahn, Michael R. Hamblin, Asta Juzeniene, DavidKessel, Mladen Korbelik, Johan Moan, Pawel Mroz, Dominika Nowis, JacquesPiette, Brian C. Wilson, and Jakub Golab/ CA Cancer J Clin. 2011 ; 61(4): 250–281. doi:10.3322/caac.20114.

Photodynamic therapy and photothermal therapy for the treatment of peritoneal metastasis:a systematic revie
Amandine Pinto and Marc Pocard/ Pleura and Peritoneum 2018; 20180124

Clinical potential of photodynamic diagnosis and therapy of tracheobronchial malignancies in the visible and infrared spectral ranges
Garry Papayan, Sergey Goncharov, Nikita Kazakov, Andrey Strui, Andrey Akopov/ Translational Biophotonics. 2020;2:e201900019.

The potential of photodynamic therapy in current breast cancer treatment methodologies
Elzbieta ˙ Ostanska, David Aebisher, Dorota Bartusik-Aebisher/ Biomedicine & Pharmacotherapy Volume 137, May 2021, 111302
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