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がん治療CTC(血中循環がん細胞)検査

血液中に循環している循環がん細胞(CTC)と循環がん幹細胞(CSC)を検出することで、がんの超早期発見や再発、治療の予後の検知などを行います。

検査対象:血中循環がん細胞血中循環がん幹細胞

 CTC(血中循環がん細胞)検査は、一般的な検査では発見が難しい、血中に流れている小さながんを超早期に発見する検査です。

 がん細胞は分裂を重ねてがん腫瘍となり、大きさが1〜1.5mm程度になると、栄養や酸素を得るために血管内へ浸潤すると言われています。血管とつながると、がん細胞が血液中を巡りだし、遠隔地で定着するなどで転移をくり返します。この血中循環がん細胞がCTC(Circulating Tumor Cell)と呼ばれます。これらCTCの中には、がん幹細胞(CSC)といわれる非常に増殖力が強く悪性度の高いものも検出されてきます。
 血液からCTCを検出することで、画像診断では難しい大きさのがん腫も体内に存在することが判明できます。CT検査などの画像検査では1cm以上、PET検査でも直径5mm以上にならないと検出は難しいため、それよりも超早期にがんの検知を行うことができます。 またすでに癌と診断されている方でも、現在のCTCの数や濃度を計測し分析を行うことで、がんの特徴を調べ、有効な治療方法が検討できます。

CTC(血中循環がん細胞)検査では、採血された血液に様々な分析を行い、以下のような項目を報告します。

検査方法

2種類の検査方法があります。

① 日本遺伝子研究所
国内の検査機関で行います。血液10 mL採取し、検出された固形癌の細胞がCTCなのかCSC(がん幹細胞)、クラスターと言われる特徴的な悪性所見なのかどうかなどを調べます。およそ10日間で結果が出ますが、採血日が月火水の14時までに行う必要があります。癌の再発の早期予測や、治療後の状態把握などに向いています。

② RGCC社
欧州の検査機関に提出する検査です。採血量は20 mL程度。結果がでるのは1か月程度かかりコストも2倍以上です。採血曜日は月曜から金曜日まで可能で、いろいろな抗がん剤や天然物質に対するCTCの効果なども評価ができます。また表面マーカーや遺伝子変異の結果もわかるため、治療方針や薬剤選択に有用性は高いです。初回の検査や、現在使用している抗がん剤が効果がなくなってきた場合などに向いています。

リスク・副作用

  • 早期発見、早期治療による救命効果を目的とした検査です。
  • 前がん病変が発見されることがあります。それを治療することでがん化を防ぐことを目的としています。
  • 100%の精度でがんを発見するものではありません。
  • 生命状態に影響しないがんを発見する場合もあります。
  • 血液採取の際に、まれに皮下血腫・神経損傷などの合併症が起きることがあります。
  • がんのリスク判定を行うものであり、確定診断を行うものではありません。

CTC、CSCを取り除く治療

① CTC吸着除去療法
 血液をフィルターにかけCTCを取り除く治療です。使用するフィルターではCTC以外に、転移に関係するβ2ミクログロブリンや、炎症性サイトカイン、異常に活性化した血小板、変形した蛋白質なども一緒に取り除くことができます。CTC結果により医師よりご説明いたします。

② ヨウ素 点滴、内服療法
 1-3か月の内服でCTCが減少することが当院でも確認できています。ヨウ素は甲状腺にも影響しますし、アレルギーなどの副作用が出る場合もあります。また種々のヨウ素製剤が出回っておりますが、効果が出やすいものをそろえておりますので、患者様の状況に応じてお勧めいたします。

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