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がん治療免疫細胞療法(NK細胞療法・樹状細胞療法)

NK細胞療法

ご自身が本来持つ自然免疫の力を高める治療です

免疫について

人の体には生まれつき免疫とよばれる働きが備わっています。その機能により、体内に侵入した細菌やウイルスなどは排除され、人は健康を維持することができます。免疫は細菌やウイルスだけでなく、がんとも深く関係していると考えられ、体の免疫力が低下した状態では、がんができやすくなることが知られています。

NK細胞とは

NK細胞とは原始的な免疫細胞の一つであるnatural killer 細胞のことです。これは自然免疫といい、がん細胞や細菌、ウイルスに感染した細胞などの殺傷能力を有しており、免疫系の中では兵隊のような働きをします。NK細胞療法は、ご自身の血液を50ml程度採取し、その中のNK細胞を培養・活性化して、点滴で戻すという治療になります。採取から点滴まではおよそ2週間で、繰り返し行うことができます。

リスク・副作用

大学研究機関等で行われた研究報告では、本療法の副作用は軽度であり、発熱や注射部位の発赤以外には殆ど認められないことが報告されています。しかし未知の副作用等が起こりうる可能性は否定できません。

国内の承認医薬品等の有無の明示、入手経路等の明示

自己の細胞を用いる治療のため、使用できる他の国内承認医薬品はありません。第三種再生医療等提供計画番号:PC5200028(治療)、PC5200029(予防)に基づき治療を実施します。

諸外国における安全性等に係る情報の明示

・Cheng M., et al. NK cell-based immunotherapy for malignant diseases. Cell. Mol. Immunol. 10, 230–252 (2013).
・Guillerey C., et al. Targeting natural killer cells in cancer immunotherapy. Nat. Immunol. 17, 1025–1036 (2016).

樹状細胞ワクチン療法

がん抗原(がんの目印)をもつがん細胞をターゲットにするように、
免疫細胞に働きかける獲得免疫系の治療です

樹状細胞とは

樹状細胞は体の中で異物を発見すると、それに攻撃するように他の免疫細胞に伝える、いわば司令塔のような役割を担っています。細菌やウイルス、がん細胞などの異物を自らの中に取り込み、その目印を周りの細胞たちに伝えます。

またその目印を認識した免疫細胞は体中をめぐり、その目印を持っている異物を狙って攻撃します。

樹状細胞ワクチン療法について

本療法は、樹状細胞を体外で大量に作製したのち、人工的に合成したがん細胞の目印を記憶させ、患者様の体内に戻す治療となります。がん細胞の目印を記憶した樹状細胞は、患者様の体の中でがん細胞の情報を免疫細胞へと伝えます。免疫細胞は、その情報をもとにがん細胞を狙って攻撃を開始します。
がん細胞の目印として用いるのが、人工抗原と呼ばれるものです。樹状細胞ワクチン療法を受ける場合、どの目印を用いるかが重要になり、がん細胞に対する攻撃力が左右されると言えます。当院で使用する人工抗原の一つであるWT1は、75種類のがん抗原において、9項目の有用性について評価され、米国の権威ある学会誌「Clinical Cancer Research」で、最も優れていると評価されています※1。この人工抗原は特許技術ですので、限られた医療機関でしか治療に使用することができません。 使用する人工抗原は、患者様のがんの種類や白血球のタイプ等によって異なります。治療の前に患者様の血液を検査して、最適な人工抗原を選択します。
※1 Cheever M. A., et al. The prioritization of cancer antigens: A national cancer institute pilot project for the acceleration of translational research. Clin. Cancer Res. 15, 5323 (2009).

治療の流れ

STEP-1 成分採血(アフェレーシス)約2~3時間かけて、専用の機器で患者様の血液の中から、樹状細胞ワクチン作製に必要な単球という細胞を取り出します。
※単球以外の成分の大半は体の中に戻しますので、体への負担は殆どありません。

STEP-2 樹状細胞ワクチンの作製成分採血により採取した細胞を培養し、樹状細胞へと成長させ、がん細胞の目印を記憶させます。作製したワクチンは、微生物など有害なものが含まれていないか、外部の検査機関にて確かめています。
※ワクチン作製に用いる材料については、体の中に投与しても問題ないと考えられる品質(GMPグレード)のものを使用しています。

STEP-3 樹状細胞ワクチンの投与ワクチンをリンパ節に近い場所へ皮内もしくは皮下注射にて投与します。5~7回を目安に、2~3週間間隔で投与を行います。

STEP-4 評価(治療効果と安全性の確認)本療法の効果と安全性を確認するため、検査や投与部位の発赤等を確認します。また、必要に応じて本療法実施終了後においても、患者様のご病状等の確認を行う場合があります。

リスク・副作用

大学研究機関等で行われた研究報告では、本療法の副作用は軽度であり、発熱や注射部位の発赤以外には殆ど認められないことが報告されています。しかし未知の副作用等が起こりうる可能性は否定できません。

国内の承認医薬品等の有無の明示、入手経路等の明示

自己の細胞を用いる治療のため、使用できる他の国内承認医薬品はありません。第三種再生医療等提供計画番号:PC5210079に基づき治療を実施します。

諸外国における安全性等に係る情報の明示

・Anguille, S., et al. Clinical use of dendritic cells for cancer therapy. Lancet Oncol, 2014. 15(7): p. e257-67.
・Kantoff, P.W., et al. Sipuleucel-T immunotherapy for castration-resistant prostate cancer. N Engl J Med, 2010. 363(5): p. 411-22.

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