りんくうメディカルクリニック RINKU MEDICAL CLINIC

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がん治療iNKT療法

ご本人の身体に存在するNKT細胞を活性化し、
がんの進行・再発・転移の抑制効果を狙う免疫治療です

iNKT療法について

もともと人の体には異物を排除する能力が備わっており、免疫細胞(NK細胞やキラーT細胞など)は、日々発生するがん細胞を排除する機能を持っています。iNKT療法は、免疫細胞を活性化し、がんへ持続的に攻撃するように促す治療法です。患者様ご自身の免疫細胞を活性化する治療法のため、副作用も少なく、他の治療法と合わせて実施することができます。

iNKT療法の特徴

がん細胞には、「がん抗原をもつ細胞」と「がん抗原をもたない細胞」があります。従来の免疫治療は、「がん抗原をもつ細胞」と「がん抗原をもたない細胞」のいずれか一方のがん細胞をターゲットにしていたため、同時に排除できないというデメリットがありました。
NKT細胞が活性化すると、インターフェロン・ガンマ(IFN-ɤ)と呼ばれるものを分泌し、自然免疫系(NK細胞など)と獲得免疫系(キラーT細胞など)の両方の免疫細胞群の、がんへの攻撃力を高めます。また長期の免疫記憶を誘導するため、どなたでも、どのようながんでも、効率的に再発・転移を防ぐことが可能です。多様性のあるがん細胞を同時に排除できる点が、従来のがん免疫治療とは大きく異なる特徴です。

治療の流れ

STEP-1 カウンセリング事前に問診と血液検査を行い、治療のスケジュールを決定します。

STEP-2 成分採血(アフェレーシス)約2~3時間かけて、専用の機器で患者様の血液の中から、治療に必要な単球という細胞を取り出します。

STEP-3 培養得られた細胞を細胞培養加工施設に搬送し、培養を開始します。αガラクトシルセラミドというNKT細胞を活性化するために必要な物質を取り込ませ、最短1週間で製剤ができあがります。 

STEP-4 投与原則2回投与します。1回目の点滴を投与した後、約4週後に2回目を投与します。
メモリーT細胞を誘導し、長期免疫記憶が6~9か月間持続すると考えられます。

治療の適応

現在がん治療(手術、抗がん剤、放射線など)中の方、転移・再発予防目的の方
NKT細胞を活性化するαガラクトシルセラミドは、全ての人のNKT細胞を活性化できるため、患者様自身のHLA型に左右されることはありません。そのため、樹状細胞療法のように複雑な事前検査の必要はございません。 しかし、持続性の肝炎(B型C型)などの感染症や、活動性の自己免疫疾患と診断されている患者様などは治療の対象外となります。詳しくはお問い合わせください。その他の免疫治療を受けられている方はご相談ください。

リスク・副作用

投与時に発熱と悪寒及びそれに伴う震えや、注射部位が一時的に赤くなったり熱を持ったりすることがあります。個人差はありますが、通常1~2日程度で軽快します。また、この治療で肝障害や腎障害などの臓器障害や細胞塞栓を来す可能性があります。その他アフェレーシスの際に、口の周りや手足のしびれなどが起こることがあります。


未承認医薬品等であることの明示、入手経路等の明示
使用できる他の国内承認医薬品はありません。この治療は第三種再生医療等提供計画番号:PC5220020に基づき実施します。

諸外国における安全性等に係る情報の明示
・Giaccone G, Punt CJ, Ando Y, et al. A phase I study of the natural killer T-cell ligand alpha-galactosylceramide (KRN7000) in patients with solid tumors. Clin Cancer Res 2002: 8: 3702-9.
・Chang DH, Osman K, Connolly J, et al. Sustained expansion of NKT cells and antigen-specific T cells after injection of alpha-galactosyl-ceramide loaded mature dendritic cells in cancer patients. JEM 2005: 201: 1503-17.
・Nicol AJ, Tazbrikova A, Nieda M. Comparison of clinical and immunological effects of intravenous and intradermal administration of α-galactosylceramide (KRN7000)-pulsed dendritic cells. Clin Cancer Res 2011: 17: 5140-51.
・Richtern J, Neparidze N, Zhang L, et al. Clinical regressions and broad immune activation following combination therapy targeting human NKT cells in myeloma. Blood 2013: 121: 423-30.

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