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ケルセチンは何に効く?

ケルセチン入りの飲料を8週間程度飲むと、体脂肪が減るとCMでやっています。ケルセチンは玉ねぎなどの食品に含有されているフラボノイドの一種で、安定した飲料にするには配糖体の形で含有する必要があります。脂肪の代謝を助ける働きが強調されていますが、実はがん細胞の増殖を抑える効果があるという論文が多数発表されてきています。

 ①抗がん剤の補助効果 がん細胞はABCトランスポーターを過剰発現していて、それを介して抗がん剤を細胞外に排出してしまうが、それを阻害し抗がん剤を長くがん細胞内に留める。(ドセタキセルなどの効果を増強)

 ②がん細胞では光刺激に対して活性酸素を発生し細胞障害を起こすが、正常細胞には保護的に働く (光感作剤としても利用)

 ③遺伝子のp53を活性化させ、デスレセプターを直接刺激することで、癌細胞を自殺させる。(遺伝子治療の補助)

などなどが言われています。抗がん剤の副作用の神経障害の改善効果など、正常細胞の保護効果、さらに臓器に年とともに蓄積してくる老化細胞を除去できる物質としてもケルセチンが研究されています。老化細胞除去で、肺線維症や糖尿病、アルツハイマーなどなど神経疾患なども研究が進んできておりますので、近いうちにニュースになる可能性もあります。

問題をあげるとすれば、以上のような効果を期待するにはある程度多量のケルセチンが必要だということです。ですので当院ではケルセチンのリポソーム製剤を開発しまして、よりがん細胞や炎症部位に集まりやすくなったものを使用しています。正常な方は特茶などを健康維持に利用され、がん治療などに検討する方はリポソームケルセチンを250-500㎎程度をお勧めしています。

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