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動脈硬化の治療 LDLアフェレーシス

 血液中のコレステロールが高いといろいろな合併症が起こりやすいことが言われております。このうち悪玉と称されるコレステロールがLDLですが、この数値が高いと脳梗塞や心筋梗塞、動脈硬化疾患になりやすいといわれています。そして実際循環器の世界でも、一度心筋梗塞を起こした方などは、再発予防としてLDLは下げれるだけ下げたほうがいいというのは、ほぼ異論のないところです。LDLを下げる治療としてはスタチンという内服薬が一般的ですが、肝障害や筋肉のつるような症状など副作用がゼロではなく、理想通りに目標値に到達する人は限られているのが現状です。また患者さんからは一生涯クスリを飲み続けるのかと、聞かれることが多いですが血圧と同じで年齢ごとに上昇傾向があり、数年内服したから飲まなくてよくなったという事は、まずありません。ここで問題なのは、目標は心臓や脳、血管などの動脈硬化の進行を遅らせ、あるいは血管そのものを若返らせることであり、目標数値を到達したからバンザイではないということです。

今回紹介するのはLDLアフェレーシスという、乱暴に言うと血液を回路にいったん出してきて、そこでLDLを抜き去って、残りをまた戻すという治療です。これも内服をやめた場合と同じで、LDLだけの数値をみると、早ければ1週間で元の数値に戻ってしまいます。しかし動脈硬化治療という意味合いでは、血流の状態は改善しますし、血管の塊のような臓器である腎臓の機能も改善します。もちろん1回したら、残りの人生大丈夫などというものではないですが、治療を契機に肥満が改善したり、糖尿病のコントロールがよくなったりなど体質の変化がみられる場合もあります。一般に治療を受けられる場合は自由診療ですしコストも薬を飲むのに比べると高額ですが、内服などだけで動脈硬化の進行が改善していないという印象のかたには、一つの手段になる可能性がある治療と考えています。

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