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メトホルミンと がん治療

メトホルミンは1940年代から使用されている糖尿病の治療薬ですが、長寿効果やがんへの効果などいろいろ分かってきました。過去最もインパクトがあったと思うものでは、英国の観察研究で、糖尿病ではない同世代の人よりも、糖尿病でメトホルミンを飲んでいる方のほうが長生きできるというものがあります。薬を飲むと体に悪いとか、できるだけ薬を減らすことを希望される糖尿病の方をたくさん知っていますが、この結果は衝撃の結果であったと思います。その他にもメトホルミンがなぜ長生きができるのかを調べる研究報告が多数出てきまして、心血管イベントを抑えたり、がんの発症を抑制したりすることで、いろいろな疾患になりにくいために長寿化するのではとも推測されています。

また最近では癌になった人に、抗がん剤や放射線治療と併用するような治験もされており、がん発症予防だけでなく治療としても期待されています。がんへの効果としての機序はざっくりと以下のものが考えられています。

①がん幹細胞(増殖能力の高いがん細胞)の死滅効果

②がん細胞の周辺細胞へのネットワーク切断(がん細胞の住みにくい環境にする)

③がんの栄養補給路の遮断効果

④がん細胞に免疫細胞が作用しやすくする(癌周囲のアルカリ化)

⑤免疫細胞の疲弊化の改善

⑥薬剤の癌への集積効果を高める(抗がん剤、リポソームなど)  などその他多数

この薬は糖尿病薬として広く長く使われており、そのため安全性も確認されておりジェネリック薬品もあるため安いというのが最大の特徴です。しかし、肝機能や腎機能が低下しているかたは注意が必要で、造影剤を使用したCTを撮影する場合などは休薬が必要ですので、必ず医師に相談して使用されることをお勧めいたします。

またこの薬単独で癌が治るわけではないので、当院では他の治療との併用での効果を期待しております。

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