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抗がん剤の副作用予防 Lカルニチンの可能性

 カルニチンは、アミノ酸から、肝臓や腎臓において生合成される生体成分ですが、いろいろな役割を担っています。カルニチンの中でもLカルニチンがその活性を強くもっており、その一つは脂質を燃やすためにミトコンドリアに運搬する働きです。そう聞くと想像するのはダイエットへの効果ですが、実際に実践している方も多いのではないかと思います。食品でいうと草食動物の肉(ヤギやマトン、ラムなど)に多く含まれるので、わたくし個人的にも家で焼肉をするときにラムを買った方が背徳感が少し薄まるのを感じています。またLカルニチンが減少すると、疲労感や筋肉痛、心不全などの症状を引き起こしますので、欠乏症であると診断されますと保険診療での治療薬としても処方される場合があります。

カルニチン欠乏の原因は、栄養障害(過度なダイエットなど)、慢性腎不全、肝硬変などがありますが、抗がん剤の副作用として低下する場合もあります。報告がされているものでは、ソラフェニブやレンビバチニブは吸収障害により低下することがいわれており、カルニチン製剤などの投与で抗がん剤による倦怠感の低下が改善した報告もあります。また抗がん剤の副作用で神経障害がでるものがありますが、予防や回復にアセチルLカルニチンが効果があるという報告もあります。さらにはがん抑制遺伝子(p21cip1)などの発現を高め、細胞増殖を抑制することでのがん治療としての可能性も期待できます。

 投与方法としては、内服では多量のカルニチンを継続的に飲まなければ効果はでていないようですので、症状のある人にはLカルニチンの注射製剤をなどで血中投与するほうが、理にかなっています。(またそういう観点では、マトンばっかり食べたとしてもダイエットになるのかは疑問ですので、焼肉は焼肉です。)

我々のクリニックでは、特に抗がん剤の副作用低減に注目して期待をよせていますので、ご相談いただければと思います。

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