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温熱療法(ハイパーサーミア)と和温療法

  がん細胞は正常細胞に比較し温度上昇に弱いといわれています。がんがある患者さんが感染症で高熱を出したのちに癌が治ってしまったという事例などから、体験的にがんが熱に弱いという事が研究されていました。正常の細胞は温度上昇があると、血管系を拡張させ熱を逃がそうという反射がおきますが、がん細胞の血管は急ピッチで作成された新生血管であるため、この作用が十分にできず高熱になります。そのため温熱療法では、41度以上の温度を目指して、高周波電流により腫瘍の周辺など深部の組織の温度を上昇させていきます。これにより、腫瘍への免疫が活性されたり、腫瘍細胞の透過性が亢進することで抗がん剤の取り込みがよくなるなど、がんを縮小する効果が知られています。実際には癌への温熱療法は保険適応となっていますので、保険での施設での加療が適しているといえます。またサウナを用いた病気の治療に和温療法というものがあります。

こちらはいわゆる電話ボックスタイプの60度の低温サウナで、15分程度はいってもらうという治療です。この場合は体表の温度は上がるものの深部体温は1度程度しか上昇しません。低温のサウナですので交感神経の興奮をしずめ副交感神経優位にかたむけることで、神経のリラックス効果による血流改善、不整脈減少や心不全の改善効果がいわれています。通常のサウナはおよそ80度くらいあり、交感神経が興奮して心臓には負担になりますが、60度くらいの低温がむしろ心臓に優しいといえます。しかし和温療法はこのような作用で心血管系に効果が報告されていますが、現在保険適応にはなっていません。

サウナや温浴施設は全国に多数できていますが、正しい体の温め方や温度での入り方を行うと、がんや心臓疾患に上記の治療と同様に効果が出せるのが分かります。身体を冷やすのは良くないと、親や祖父母から言い伝えのように聞いたことがあると思いますが、科学的根拠が証明されてくると、ご先祖の偉大さが分かりますね。

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