りんくうメディカルクリニック RINKU MEDICAL CLINIC

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アルテスネート による抗がん効果

   あけましておめでとうございます。

 2022年1回目のコラムは、アから始まるアルテスネートについて紹介したいと思います。アルテミシニン誘導体のアルテスネートですが、もともとはマラリアの治療薬として世界中で使用されています。マラリアのくわしい説明は割愛させていただきますが、熱帯雨林などで蚊にかまれた後にかかる恐ろしい病気です。マラリアは熱帯雨林などで命に係わる病ですので、この治療薬を発見しトウーユーユー博士はノーベル賞に輝いています。

 アルテスネートはヨモギ科のセイコウという草に含まれておりもともと解熱剤などとして使用され、これが後にマラリアの治療薬になった後、さらに抗がん作用があるということで、歴史ある治療薬です。なぜ癌に効果があるかというと、がん細胞はもともと鉄を取り込む性質があり、鉄に反応したアルテスネートが活性酸素を発生し、活性酸素に弱いがん細胞が死滅するという流れになっています。多くの人に実際に使われているため、副作用なども少なく安全性も高い薬剤です。

 当クリニックでは点滴加療としてアルテスネートをさらにリポソームという脂肪成分の膜につつむことで、癌のみに局所集中し、かつ全体の薬剤投与量を下げて、副作用をよりゼロに近づける製剤を調剤しています。またこれにより、従来の癌に対するアーテスネート治療の、最大で25倍程度の効果も期待でき、副作用の少ない最大効果の抗がん作用を狙っております。またアルテスネートは鉄と反応するため、点滴加療の前に鉄剤の内服をしていただき、その後に点滴を予定するという流れのプロトコールで治療を行いますので、癌患者様の治療に貢献しうる一つの手段として、提供できればと考えております。  2022年1月

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