フコキサンチノール (2024年 最強の抗炎症物質)
今回は天然成分のフコキサンチノール (フコキサンチンが脱アセチル化したもの) についてです。フコキサンチノールはカロテノイド(非ビタミンA)の1種でありワカメ、ヒジキ、アカモクなどに含まれています。ワカメや昆布などのぬるぬるした透明の部分に含まれているものはフコイダンであり、フコキサンチンは褐色の本体に含まれており、これがフコキサンチノールになって吸収され、効果を発揮すると報告されています。
フコキサンチン フコキサンチノール
フコキサンチンは経口摂取では生体利用率が数%と低く、消化管での胆汁酸とリパーゼによる代謝をうけたフコキサンチノールになったものだけが腸管吸収され血中に検出されます。これまでに、すい臓がん、大腸がん、肝臓がん、乳がんなど多くの癌細胞でのフコキサンチンのアポトーシス作用の論文があり、フコキサンチンよりもフコキサンチノールのほうが抗がん効果が強いことも示されています。また他のカロテノイド類は好気的な条件下で抗酸化作用を発揮しますが、フコキサンチノールは低酸素(がん周辺)で作用するため、よりがん治療に適していると考えられます。
その他の作用として、免疫賦活作用、抗動脈硬化、抗糖尿病(インスリン抵抗性改善)、抗肥満作用(白色脂肪を褐色脂肪に変化させる)、しわ改善(京都大が特許取得)、メラニン抑制(しみ そばかすの改善)、神経保護作用など 癌以外の病気の治療にも期待できる最新の天然成分と考えています。
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