りんくうメディカルクリニック RINKU MEDICAL CLINIC

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腸内細菌の移植治療

 腸の中にはたくさんの細菌がいて、この種類の構成がいろいろな病気にかかわっている話はコラムNO4で書きました。今日はこの構成をどうやって治して病気の改善に繋げるかという話をしたいとおもいます。数年前から大学病院などで入院などしてカメラで腸の中に健康な他人の便をいれて治療するという放送がみられました。便は細菌の塊みたいなものですが、他人の便を入れるというのは少し抵抗がありませんか?もちろん便の中の、未消化な食物残差など悪影響を及ぼしそうなものは取り除かれてはいるのですが、それでもなあーという印象を私は感じます。これも大腸側から入れるのはまだ良しとして、口側から胃から十二指腸あたりで投与するなどはさらに抵抗がありますし、いずれも便といわれるとあまり気持ちが良くない印象です。

当院でも腸内細菌の移植をはじめていますが、この心理的な気持ち悪さというのを何とかならないかと考え、乳幼児の腸内環境の組成の細菌を培養してカプセル化したものを用いています。具体的には3日間程度抗生剤を用いて、既存の好ましくない腸内細菌をへらしておきます。その後カプセルの生きた菌の溶液(1番)をのんでいただき、その後のおよそ1か月間を新しく入った細菌叢のエサになるカプセル(2番)をのんでいただき、しっかり生着するよう育てるという方法です。この方法で腸内細菌が原因の一端になっている病気は、改善が期待できますが、腸内細菌は食習慣とも密接な関係がありますので、食習慣がうまく改善できない場合はカプセル2番を長期的に続けられることをおすすめしています。

 

 

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