ダチョウ抗体
京都府立大学の塚本先生のご研究で、お母さんダチョウにウイルスを感染させると、その生まれた卵の中にウイルスに対する抗体ができることが分かり、様々な現場で使用されています。ニワトリなどの雛の感染予防であったり、抗体塗布をしたマスクやスプレーによって、体内への感染を防いだりと新型インフルエンザの時代以前より、応用されてきました。当クリニックでも、昨年からの新型コロナウイルスの世界的流行により、点鼻製剤を調剤しておりますが、医療関係、歯科、接客業など幅広い分野でニーズを保ちながら現在に至っています。
新型コロナは表面のスパイクプロテインが鼻粘膜や肺の細胞、腸の細胞などから感染しやすいことが分かっておりまして、ダチョウ抗体はこのスパイクプロテインをブロックすることが実験でわかっています。鼻粘膜や気道などに噴霧して塗布することでコロナの侵入を防ぐという作用が期待でき、マスクの隙間などからのウイルス侵入の際には粘膜レベルでウイルスから保護できることもあり、二重のマスクに近いものと考えていただくとよいと思います。
もちろんこれだけで感染が防げるというものでもありませんし、飲水や鼻をかむなどで、抗体がはがれれば効果はなくなりますし、多量のウイルスに暴露した場合は感染してしまうことは予測されます。ですので通常の感染防御や、ワクチンなどは、できるだけしていただき、プラスで行う感染予防としてのご利用をおすすめしております。また副作用ですが、通常の卵黄などの卵成分は取り除かれていますので、卵アレルギーの方なども問題はないですが、人によっては鼻粘膜の刺激で鼻の痛みやにおいなどを言われます。
通常1回の両鼻の噴霧で4時間程度、およそ3週間分が1本になっていますが、院内処方する製品ですので使用に際しては同意書などをいただいております。基礎疾患がある方や、人込みでの仕事や感染者のケアなど、感染のリスクの高い方にはお勧めしたいと思っております。
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