免疫療法 樹状細胞療法について
免疫や免疫療法という言葉は良く耳にすることと思います。免疫療法というと、生体の免疫反応を利用した治療の総称をいいますので、ノーベル賞を受賞したオプジーボや、はしか、風疹ワクチンなどもこれに含まれますし、最近ではコロナワクチンが一番身近です。がん治療の免疫療法でいうと、オプジーボ以外にも樹状細胞療法、NK細胞療法、NTK、がんワクチン、、、とさらに各診療機関が独自の名称を付けたものなどもいれると数えきれないほど存在しますが、おおざっぱにいいますと、がんを自分の免疫細胞で攻撃させる治療が、がんの免疫療法といえます。機序で分類すると、攻撃させるために癌のバリアーをはがしたり、免疫細胞自体の攻撃力を高めたり、レーダー機能的にがんの印を教えて狙い撃ちにするなどにまとめられます。
そのうちNO17でNK細胞療法について書きましたが、当院では2022年より樹状細胞療法が可能となりましたので紹介させていただきます。NK細胞が敵は何でもやっつける兵隊的な動きをするのに対して、樹状細胞は敵のマークはこれですよと気づいて、それを標的として知らせてまわる働きをします。この樹状細胞に培養センターで癌のマークを教えて教育し、体内に戻すという治療が樹状細胞療法になります。樹状細胞をしっかり集める作業は少し大変ですが2-3時間回路を使って回収しまして、教育し皮下投与するという方法です。回路に血液を回すため成分献血と似ており、多少貧血気味になります。癌を患われたかたを少し貧血気味にするような治療でもあるので、対象になる方は血液検査などの結果で適応を判断しますが、長い持続時間で自分の免疫力で治していくという治療にあたります。
効果が本当にあるものしか残っていかず、残りは淘汰されているのが免疫療法の歴史ですので、10年以上継続してなされている樹状細胞療法の事実が我々も信頼を寄せるところです。当院では樹状細胞療法に関しましては、特にこの分野の先駆者で治療経験の豊富なセレンクリニックグループの矢崎先生と協力しながら治療にあたりますので、患者様にもご安心いただけると思います。
クリニックの前の桜は やや遅めですので長く楽しめます。
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