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エクソソームとはなんぞや?

 エクソソームという言葉を、いろいろな商品や治療としてよく見かけます。エクソソームとは、細胞間で情報伝達をする、手紙(マイクロRNAなど)の入った封筒(細胞外小胞)みたいなものです。これを受け取った細胞は、中の手紙に書かれた情報を読んで、様々な変化を遂げたり、特定のホルモンなどを作ったりと、影響を受けます。ですので、封筒の中身が何かによって、細胞の反応が変化するという事が言えますし、封筒に書かれた宛名の細胞に配達されやすいような仕組みがあります。このエクソソームは研究の分野でも、超最新すぎて、まだまだ未知のことがありますので、封筒の中の手紙の内容は一部しか判明していないと思われます。

 これらエクソソームを人間の細胞は駆使して活動していますが、それ以上にがん細胞も何十倍も駆使して、増殖し生き延びようとしていることが分かっています。つまりエクソソームの内容は、どの細胞からどういう目的で出されたかによって、効果が全く違うものになると考えられます。

 また、幹細胞培養上清での治療は、分泌されるサイトカインやエクソソームの効果を利用した治療ですが、幹細胞の出す分泌物は再生効果が高いものが多いことを利用しています。このうちサイトカインは現在までの研究で、良いサイトカイン、悪いサイトカインなど、ある程度の効能が判明していますが、エクソソームに関してはまだ十分に同定しきれていない状態です。

 ですので、時に見かける培養上清の違いを表現するのに、エクソソームが多量に入っていますというような表記は、良いものだけが本当に多量なのか疑問に感じます。またエクソソーム入りコスメなどと書かれているものもありますが、美白になれとか、シミ消えろとかいう内容の書かれた手紙が本当に入っているのかを、どうやって実証しているのかな?と疑問であり、言葉の一人歩きを感じます。

 これらを考慮しますと、幹細胞培養上清治療は、どの人のどこの幹細胞から出て、どういう培養をされたのかという事が、現時点ではエクソソームの安全性の有効性があると考えております。そのため当院では、培養上清のもとになる幹細胞の選択にはこだわりを持っておりますし、エクソソームという言葉に関しては慎重に扱っておりますので、培養上清療法という名前で表記しております。今後も患者様の症状の適応性なども十分検討の上、安全な使用を心がけながら、症状改善に貢献していければと考えております。

 

 

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