免疫療法ざっくりまとめ②
どうやって効果を出すかという点についてざっくりまとめます。
1. NK細胞療法、6種混合療法など 兵隊強化
自然免疫といわれる自分の細胞以外の異物を何でも攻撃する細胞を活性化して戻すという治療で、投与後体内で数日間の免疫活性状態をつくります。ですので強い癌をたたく治療(放射線や抗がん剤)を併用し、弱ったがんをさらに活性化している免疫細胞でたたくと効果的です。ですので他の治療の施行の少し後や、貧血気味で面期の弱った状態に投与するのが好ましいと考えます。
2. 樹状細胞療法 兵隊の教官の育成
体外でがん抗原を樹状細胞に覚えさせ、体内でキラーT細胞などに指令を出し攻撃させるという治療(獲得免疫)になります。代表的ながん共通抗原であるWT1などを、樹状細胞に教え込み、体内の免疫細胞をこのターゲットに誘導するのです。しかしガンには多様性があり、これらターゲットを有しているがん細胞とそうでないものが混在している場合は残存してしまう場合がありますし、樹状細胞が攻撃の指令をだしても、PDL1などのT細胞の免疫を阻害作用を癌が有している場合は、免疫チェックポイント阻害剤などと併用が必要になります。
3. iNKT療法 兵隊や教官の総指揮官を活性化して総動員する
上記の敵を何でも攻撃する自然免疫と、ターゲットを決めて攻撃する獲得免疫の、さらに上流から両系統の免疫活性を指示をするNKT細胞を刺激する治療になります。獲得免疫の面でいうと、がん抗原を体内で放出させる作業が必要ですので、光治療や抗がん剤など一緒に投与するほうが理想的です。この獲得免疫はメモリー細胞に記憶されるため、最長9か月程度にわたり活性化状態を維持で切るのが特徴です。
また免疫療法は、本人の治療経過や貧血などの状態、血液の採取方法、培養条件などに左右されます。ですので当院では、患者様個々に最適な治療法や時期を相談して一緒に検討するようにしております。
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